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トライバーティノフマスクの感度向上

動機

Cloudy nightsのこのスレッドで、トライバーティノフマスクの感度に関する課題が指摘されました。これはそれに対する対策の検討です。

Satoru Takagi

デザイン

トライバーティノフマスク第二改修版ジェネレータ

同じ色に塗られた回折格子が一組のバーティノフマスクを構成します。そして、それぞれの色で塗られた3組のバーティノフマスクでトライバーティノフマスクとなります。

光軸がずれた状態で撮影したトライバーティノフマスクの回折像

注記:下の像はすべて同じ光軸ずれ状態のままで撮影されています。テストスターはVega、鏡筒はC6直焦点、カメラはASI224MC、F.L.=800mm相当でマスク作成

説明回折像マスクパターン
マスクなしデフォーカス像
オリジナル
3時方向にずれが認められる
第二改修版
6時方向に、オリジナルよりも大きなずれが認められる。また光条は太い。

NOTE: 改修版の光条はオリジナルに対し90度回転する。

考察

オリジナルのトライバーティノフマスクと比べて下図のように一組のバーティノフマスクの横(黄色)と斜め(紫色)の回折格子の間の間隔を広げることによって感度を向上させています。

そして、光軸ずれによる影響がコマ収差だと仮定すると、コマ収差はアパーチャの中心からの距離の違う部分による結像が収差を生むと考えられます。(参考) そこで第二改修版はアパーチャ中心からの距離の異なるゾーンを用いることで検出を可能としました。

また、光条が太くなったのは回折格子の長さが短くなったためと考えられます。

参考:光軸があった状態で焦点を外した状態で撮影したトライバーティノフマスクの回折像

説明回折像マスクパターン
オリジナル
3方向の光条ともに、同じ量のずれ(デフォーカス)が認められる
第二改修版
3方向とも均等により大きいずれが認められる。ただし光条は太い。